数年前、箱根の強羅でお正月を過ごすことがありました。「富士山はどこにいるのかしら?」と探してみましたが、なかなか見つけることができません。見えな いはずでした。全体が見えないほど、実は、富士山はすぐそばにいたのです。見上げると、そこには、これまでに見たこともないような雄大な富士山がいて、私 は、富士山のふところに抱っこされているような感じがしました。富士の山は私にとってかけがえのない存在であり、私の歌の原点であると思います。清く、気 高い富士山が世界遺産になることを喜んでほしいです。そのために、今私たちが何をしなければならないか真剣に直視しなければならないと思います。一回とし て同じ富士山には会うことは出来ませんが、一期一会の感慨と共に、強羅での「富士山に抱っこ」の感覚を大切に、これからも富士山を見ていきたいと思います。