都倉俊一さん

音楽家/作曲家
東京都出身。学習院大学法学部卒業。
四歳よりバイオリンを始め、小学校、高等学校を過ごしたドイツに於いて基本的な音楽教育を受ける。のち、独学で作曲法を学び、学習院大学在学中に作曲家としてデビュー。その後、アメリカ・イギリスで作曲法、指揮法、映像音楽を学び、海外各国で音楽活動を行う。
70 年代から作曲活動を始めピンクレディー・山口百恵・山本リンダ・高橋真梨子・狩人など多くの歌手に楽曲を提供。「日本レコード大賞 作曲賞」「日本歌謡大賞」「東京音楽祭最優秀作曲賞」「日本セールス大賞 作曲賞、編曲賞」「日本レコード大賞」など、日本の主要な音楽賞のほとんどを受賞する。世に出したヒット曲数は1,000曲を超え、レコード売上枚数は4千万枚を超える。その他多くの映画音楽、テレビ音楽を手掛ける。
80年代からはレコード制作のほかに、映画音楽、舞台音楽も手掛けるようになり、海外でも活躍中。
私は長年音楽の仕事に携わる中で、自分の心の中に、日本の美というものが深く流れていることを強く感じています。世界各国を歩いていると、そこには様々な 文化があり、すばらしい美に目を見張らされます。しかし、日本に帰るたびに日本の素晴らしさにはっとさせられるのです。それは緑したたる自然の美しさであ り、歴史によって磨かれてきた文化の清冽さであります。そして最も感じているのは、人々の繊細な心根なのです。
ただ私の心の中には大きな不安と不満があります。それは、この美しい国に生まれてきて「日本に生まれてよかった」と言える人がどれだけいるかということです。毎日不幸な事件や世のリーダーたちの不正など、目を覆うばかりであります。
富士山の世界遺産登録には、もちろんそれなりの意義はあると思います。ただ、この運動を通し、日本国民全てが、自分の国の美しさに気付き、忘れていた真の美しさを取り戻すことが最も大事だと思うのです。
私も微力ながら、この運動を応援していこうと思っています。